2005年06月20日

「心理テスト」はウソでした。

臨床心理学を勉強する上で、
心理検査は必ず学ばなければならない分野なのですが、
その心理検査の中でも、
有名な検査をいくつか批判している本の紹介です!



今年の3月末に発売された本ですが、
企業の採用試験にも用いられる心理性格検査の
詳しい批判までも載っているので、
これから就職や心理検査に興味のある人は
読んでおいた方がいいと言える一冊です!!


4822244466「心理テスト」はウソでした。 受けたみんなが馬鹿を見た
村上 宣寛

日経BP社 2005-03-30
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著者である村上さんはもともとは
ロールシャッハテストなどの分野で活躍していた人です。
日本で初めてPCによる
自動解釈ソフトを作成した人でもあります。


しかし、彼が専門としている分野のことを勉強しているからこそ、
正規の方法を用いて様々な心理検査を
みていると言っていいでしょう本


そもそも心理検査ではあらゆる人に用いて、
正格に結果がでるものでなければならない。


しかし有名な心理検査にも、正規の方法でみてみると、
様々な落とし穴が潜んでいる。


村上さんはまず
「血液型による気質の分類」を批判している。

血液型による気質は長年いろいろな人によって
研究されてきているし、
TVでも何度も取り上げられてきている。

しかしどの研究も一義的な見方でしかなく、
すべてにおいてみられた結果ではなく、
一部でしかみられない結果だけで判断しているのである。

つまり、現段階では血液型による気質の違いは
ないというしかないのである。

血液型による気質の違いはあるのかもしれない。
しかし、本当に血液型のみで気質が違うのかと言ったら
違うと言うしかない。
なぜならパーソナリティや性格というのは、
成長する過程を得て変化して行くことであるからだ。

血液型によって気質の違いがあると言うのであれば、
環境によって変化しない要因もあるはずなのだが、
現段階ではその因果関係については、
可能性はあっても、無いと言うしかないだろう。
あると言い切るには正規の手法により導き出した
正確な検査結果が必要となってくるだろう。



この本で面白いと思う部分は、ロールシャッハの部分だろう。
ロールシャッハの結果解釈は、
検査者によってかわってくることが指摘されている。

なるほど、投影の理論から言って見れば、
検査結果の解釈と言うのは、
検査者自身の無意識的部分の
投影である可能性が高いのがわかる。


検査者はこの事実に気づいているのだろうか?


ロールシャッハテストを解釈するときは
第3者的に解釈するのが妥当であるとは言うものの、
自己の無意識的部分をコントロールするのは、
困難であり、不可能と言わざるを得ない。


万人に検査しての結果になるように
ロールシャッハも再考しなおす必要があるのでは無いだろうか?


心理検査自体あいまいさを残しているのは事実である。
つまり誤診である可能性もあるのだ。

心理として長けている人にテストしてもらったからと言って、
安易に鵜呑みにしてしまわないのが一番だろう。


あくまでも
「可能性がある、ないしは高い」
という範囲で受けておくのがいいのではないだろうか?


しかし、臨床心理士の本領は
カウンセリングや話を聴く技術にあると考えている。
心理検査自体に問題があるのであって
心理士自体に問題があると言うわけではない。
その点は理解していただきたいものである。



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posted by H2 at 00:11| Comment(1) | TrackBack(0) | Books | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
初めまして。

初めてまともなこの本の評を見た気がします。
「やはりそうか」と笑うだけで何も考えぬ読者があまりにも多い気がします。
ましてや、その学問に関係したり志す者が、あらゆる可能性を考慮せず無批判に書籍等の全てを受け入れる事の多さ。
「この国は大丈夫なのか」思わざるを得ません・・・。

これからのご活躍を期待しております。
Posted by 眠 at 2008年11月03日 07:14
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